それ、うまいのか?

... 記憶の残滓

「狼と香辛料」

狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)

id:Lhankor_Mhy さんが紹介してた、これを読み終わりました。
前のダイアリー で、ぐだぐだ書いたけど、なんだかんだ言って、面白く読めたのさ。

まず、ぼくの読む姿勢が、なっちゃいなかったことに、読んでいる途中で気が付いた。
ラノベなんか、つまらん」というところからスタートしている(ぼくの勝手な事情)ので、意識はしていなかったのだけれど、ラノベに「ラノベ以外のもの」を期待しながら読んでいたみたい。
織りなす伏線とか、緻密な描写というような、ヘビィなものを要求する方がどうかしてる。
それこそ、時代小説全般に、現代社会が抱える問題の提起を期待するように。

ストーリーを面白いと感じてきたから、それに気が付いたのか、それに気が付いたから、面白く感じ始めたのかは、よく分からないけど、中盤辺り以降は、割とすんなり読めた。
気になるところが、無いわけではないけれど、これは、これで面白いと、素直に言える気分。


どうしても気になったことが、ふたつ。


ひとつは、ホロの言葉遣い。
年齢を経た精霊(神)と、かわいらしい少女を、融合させようとして、ああいう選択をしたのは理解できる。
でも、中途半端な廓詞と、何年生きてるかわからない妖怪お婆みたいな語尾が混ざったセリフは、盛り上がりかけた気分に、いちいち水を差す。
見た目が少女でも、中身が婆だと思ったら、(*^_^*) という気分にはなれません。
せめて、廓詞で統一してくれたら、と思った。
# アニメだと、声優の力量で、かなり救ってもらえるところだとは思う


もうひとつは、イラスト。
ネットで検索すると、かわいいホロのイラストがいっぱい見つかるし、そういうのは得意なんだと思う。
でも、挿絵を描くには、明らかに力不足。
ロレンスに髭が生えてないとか、ホロの耳が無くなってる絵もある。地下道の壁は、風呂場のタイルよりもつるつる。こういったのは、画力以前の問題。

ロレンスとホロを除くと、他に三、四人くらい描かれてたか。小道具と髪型でしか、人物を描き分けできない。
それに加えて、本文中に無い小道具を使うので、ダレコレ?、みたいになっちゃう。

多分、原画はカラーで描かれてるんだと思うけど、彩度を意識してないから、本文中のモノトーンだと、同じ濃さの灰色で塗りつぶされているように見えちゃう(編集者の問題かも)。

こういったことも、良い感じで読んでいる気分に、いちいち水をぶっかけてくれる。


後、ロレンスって名前だけが、世界観から浮いちゃって感じるのは、単なる好みの問題かな。
つい、「アラビアの...」を思い出しちゃう世代ということもあるからかも。


また、ぐだぐだ書いてますが、二巻目を買っても良いかなと思うくらいには、面白かったです :-)



狼と香辛料 - Wikipedia


@2012-9-30
さっき、II、III と買ってきました。
子供に読ませたら、(文学少女より)こっちの方が面白いと言ってたので。
もちろん、買ったからには読みますよ。