狼と香辛料 II
- 作者: 支倉凍砂,文倉十
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2006/06/10
- メディア: ペーパーバック
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読むにあたってのスイッチの入れ方が分かっていたせいもあって、第一巻よりはすんなりと読めました。
受賞作だった第一巻の続きとしての、第二巻。
普通なら、今後の作家としてのありようが問われる重要な作品です。
良くも悪くも、第一巻と同じノリ。
第一巻の読後感では、グチグチ書きましたが、作者さんではなく、編集担当の力不足もあわせての、この結果なのだなあ、と思った。
後書きにもあるように、いろいろ校正は入ったらしい。
この第二巻で一番気になったところは、「やぶにらみ」。
かわいい女の子に、やぶにらみさせちゃあ、駄目ですよ。
辞書くらい引いて欲しい。
「ホロとロレンスのやり取りを楽しむ小説なのだ」と看破した id:Lhankor_Mhy さんは、慧眼の持ち主なんだと思う。
本来は、編集者が先に気が付くべき。
前半の状況説明が続く文章が、本当にもったいない。
彼らのやり取りだけで、十分に説明できると思うのだけれど。
んで、第一巻で気になった、もうひとつのイラストのこと。
下手なのは相変わらず(というか、あまり間が空いてないので、仕方ない)だけど、ロレンスには髭が生えてた :-)
第一巻のときは、文章を読まずに描いてたのは、間違いない。
なんてケチをつけてますが、第一巻より楽しめました(本当に)。
一番、大きかったのは、本格推理で言われる「大いなる謎」の提示。
主人公の、のっぴきならないピンチ。
時間的な余裕も、全然ない。
普通に考えると、どうにもならない状況。
分かりやすい謎と、解決したときの(不安から安心への)落差の大きさ。
ちゃんと、エンターテーメントしてると思います。
ぼくが「ライトノベル」に、ひっかかってる理由が何となく分かった気がする。
「ライト」が、著者や担当編集のような提供者サイドが、軽く済ませている、というイメージがあるんだ、ということ。
この「狼と香辛料」は、そのボーダーラインにあるような気がしている……
さあ、次は III だ。